樹木は長寿であり、何百年、何千年と生き続けているものが多くあります。しかし、気象や病害虫による被害、人による環境圧や不適切な管理等により、樹木の健康は悪化します。特に都市部の樹木の樹勢悪化は、倒木などの重大な事故につながるケースも多くみられます。樹木診断は、樹木医の有資格者が樹木の健康状態を診断することで、病気の原因や害虫を特定し、樹勢回復のための治療や倒木の危険性の判定などに役立てます。当社では、公園や街路樹、森林のなかの大木など、多くの樹木診断を実施しています。
東京都台東区にある上野恩賜公園は、江戸時代から多くの人々に親しまれてきた公園です。特にサクラは有名で、花見の時期には都内外から多くの人々が集い賑わいます。当社では、公園内の樹木や不忍池、行幸通りのサクラの樹木診断を行い、樹勢回復のための処方を提案させていただきました。第1期樹勢回復処置として、平成21年3月に行幸通りのソメイヨシノの土壌改良(縦穴式土壌改良)が実施されました。その時に、「上野桜守の会」の方々を対象に、土壌改良の処置方法とソメイヨシノの病害虫について解説をさせていただきました。
ソメイヨシノに着生したカワウソダケ
土壌改良用機械と観察会の様子